日高山脈の南端、様似町にあるアポイ岳は810mの高さににもかかわらず、たくさんの高山植物が咲く事で有名な山です。5月初旬から次々と色々な花が咲きはじめ、道内の山では一番早く高山植物が見られます。そして、アポイ岳の麓には、日高耶馬渓と言われる海岸の断崖を避けて、冬島と幌満の間、山中に開削された約7kmに渡る山道「様似山道」があります。江戸時代後期1799年に造られたこの山道は、昭和の初めまで使われ、その後廃道となっていたものを、地元の方達が復活させ、当時の姿のまま保存されている道です。今回2つのコースを2日間に渡って歩いてきました。
5月31日、肌寒い天気の中、国道を幌満川に降り、川沿いに歩いていくと山道の始まりです。小さな荒れた沢の中に踏み跡は続き、遊歩道と言うより、れっきとした登山道と言う感じです。あちこちにぶらさがるピンクのテープに導かれ、沢から離れると道は広く、たくさんの落ち葉が適度なクッションとなり快適な歩行が続きます。ちょっと時期が遅かったのか、オオサクラソウなどはもう散ったあとで、あまり花には出会えませんでしたが、ミズナラやカエデなどの木々の新緑が目にやさしく、その中に真っ赤に咲くツツジが目を引きました。山道はその後、いくつかの深い沢と尾根を越えるのですが、今でこそ簡単に渡れる場所も、その当時としては大変な事だったでしょう。途中にはたくさんの往来があった事を思わせる旅館の跡があります。「間宮林蔵や伊能忠敬も歩いたのかもしれないね。」などと、ちょっと歴史ロマンに浸りながら歩いているうちに、3時間あまりの古道歩きは終わりました。
翌6月1日、夜中に降っていた雨も上がり、早朝5時、アポイ岳に向けて出発です。途中鹿の群れに見送られ、整備された登山道を快適に登ります。5合目にある休憩所からは、風が強く吹き、気温も低いのですが、ここから上が高山植物の楽園です。岩場が続く稜線上には期待どおり、たくさんの花々が咲き乱れていました。今までに覚えた花の名前を書きます。チングルマ、アポイアズマギク、ヨツバシオガマ、エゾキスミレ、ミヤマオダマキ、サマニユキワリ・・・。3年前より少しは覚えました。



