
昨年2月に寿都町の月越山脈の母衣月山(ほろつき)に登った時、寿都湾の向こうに山頂部分が真っ白になっている姿の良い山が見えました。地図で調べると標高839mの天狗山でした。この周辺の山はほとんど夏道がなく、雪のある時期にしか登る事が出来ません。冬は地形図とコンパス、それと山勘を頼りにルートを探しながら登るのですが、不安と期待の入り混じった気持ちで登り、山頂に着いた時はなんとも言えない感激が沸いてくるものです。それがまた冬山登山の醍醐味とも言えます。
今回の寿都天狗山はそう高くはないのですが、登り始めが海岸線近くからなので、約800mの標高差はちょっと登りごたえがありそうです。
3月2日、雪の少ない寿都の町にも、1週間前の大雪のせいか、ふもとまでたっぷり雪が積もっています。目指す山頂が結構遠くに見え、果たして山頂まで行けるのか、ちょっと不安になりますが、今日の皆さんは先週登れなかった鬱憤を晴らすかのような、気合が入っています。
ちょっと春めいた天気の下、汗ばみながら樹林の中に続く尾根を快調に登り2時間半ほどで稜線の上に出ました。大きな雪庇が発達した稜線や、頂上直下の真っ白な急斜面は高山の雰囲気があり、とても800mの山には見えず、登行意欲が湧いてきます。風もいつのまにか強くなり、最後の難関に挑戦です。クラストした雪面にスノーシューの爪を食い込ませ、一歩一歩確実に登ります。強くなって来た風が顔面を打ちますが、そんな事にもめげず、登り始めて約3時間半、山頂にたどり着いた時思わず「やったー。」
あまり人が登った形跡のない山頂からの寿都湾、月越山脈、周辺の山々の景色は心に残るものでした。そしてまたひとつ,いい山にめぐり逢うことができました。
小樽札幌近郊の最高峰余市岳は、昔から山スキー登山の山として、親しまれてきました。
ただ、ふもとまでのアプローチが長く、1泊ないし2泊かけて登る奥深い山でした。
自分も高校生の頃,仲間と冬休みや春休みに何度も登った山で、冬用のテントを大きなキスリングに詰め込み、当時まだ未舗装の朝里峠までの道を延々歩き、峠のふもとにあった山小屋に一泊、翌日朝里岳頂上付近にテントを張り、通称「飛行場」と呼ばれる、広い雪原を横断し余市岳に登りました。
吹雪で登られなかったことや、下山の時ちょっと方向を間違え迷ってしまい、一晩寒いビバークをしたこともあり、思い出深い山のひとつです。
現在は大きなスキー場ができて、以前では考えられなかった日帰り登山が可能となりました。またスキーの道具や技術が進歩したこともあり、深雪を求める山スキーヤーやスノーボーダーが増え、彼らにとって魅力的な斜面がたくさん有り、幾本ものシュプールを見つけることが出来ます。
3年ほど前から、毎年元旦余市岳を滑るのが恒例となり、今年もまたその日がやってきました。
大荒れの予報が一転、朝から晴れ上がりどっしりした余市岳の姿が望まれます。正月早々物好きな6人が集まり出発。去年より少ない積雪に少々戸惑いながら、すね程度の深さのラッセルを繰り返し、山頂を目指します。
登るにつれ正面にはこれから滑る北斜面が見え始め、周りの木々は白いサンゴのように一面樹氷となり、飽きる事のない眺めが続きます。登り始めて約2時間半、滑走開始地点に到着です。温はマイナス10度、雪質もさらさらの状態でコンディションは上々です。
準備を整え、いよいよ滑走開始。6人6様の歓声が山の中を響き渡り、皆ふかふかの新雪を楽しんでいるようです。あっと言う間に、標高差約350m,斜度30~40度の斜面を滑り降り、けがもなく全員無事に大滑降を終えました。
ただ、年の初めからこんな良い天気に恵まれ、天気の運を使い切った様で、これから始まる今年の登山の天気はどうなってしまうか、ちょっと心配です。
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