
3~4年前の5月に伊達紋別岳に登った時、室蘭岳から続く山並みに、北側の斜面が切れ落ちた、ちょっと魅力的な山が目の前に見えました。あとから地図で調べると、それが今回紹介する山、稀府岳という名前の山でした。夏道はなく、地元以外あまり知られていない山でしたが、稀府の街から見える南側の斜面は、比較的なだらかな尾根が山頂まで続き、最近は雪の季節に、スノーシューなどで登る人が増えているようです。700mそこそこの山ですが、眼下に広がる伊達の町並みや、噴火湾の海岸線が遮る物なく見る事ができ、そんな景色が良いのも、この山の魅力の一つかもしれません。1月25日、小樽を出る頃は雪が舞いちり、そのうち猛吹雪となり天気が少々心配でしたが、伊達市に着く頃には、雪は収まり、これから登る山の稜線もはっきり見えます。以前に見た北側の斜面とは打って変わったなだらかな稜線に、ちょっと物足りなさを感じましたが・・・・さて。
雪が少なく、なんとなく春先のような雰囲気の中、スノーシューを履いて出発です。ラッセルもなく、木の混んだ林の中をしばらく歩くと視界が開け、見上げるとこれから登る稜線が所々に笹藪をのぞかせながら山頂に向かっているのが見渡せます。振り返ると海岸線や町並みが少々曇った空の下に広がり、やはり景色の良さは抜群で、早く頂上に着くのが楽しみです。登るに従い風も少しずつ強くなってきましたが、曇っていた空が西の方から段々晴れ上がり、右手には室蘭岳、左手には雪化粧した有珠山が迫力ある姿を現します。初めはなだらかだった尾根も、次第に狭くなり雪庇が張り出す稜線が頂上へと延び、また樹氷となった木々が青空の下に映え、麓から見たのとは全く違った景観に、一気に満足度アップです。雪庇を踏み抜かぬよう慎重に登り、2時間半ほどで誰も居ない狭い山頂に到着。目の前に伊達紋別岳、徳舜瞥山,ホロホロ山,オロフレ山など、知った山々の景色を十分楽しむことができ、わざわざ小樽から3時間かけて来た甲斐のある、大満足の登山となりました。
伊達紋別岳
新年最初の登山は余市岳。スノーシュー部隊とスキー部隊の混合なので、ゴンドラに乗り出発です。ゴンドラ終点は視界が利かないほどの吹雪でしたが、スキー場をくだり、いつもの取り付きに着くと風もなく一安心。膝ほどのラッセルでいいペースで登ります。コルに突き上げる尾根にでたところで、いつものルートを行かず、沢沿いに登ってみることに。これがなかなか登りやすく、コルの上部に到着。ここから風も強く寒さも厳しくなってきます。稜線をがんばって登り、頂上には行かず、肩から東斜面の上部にトラバースし今日の頂上とします。
いよいよここから大滑降のはじまり。視界の利かない斜面にてこずりながらも、スノーシュー隊は尻滑り、スキー隊も無事ふもとに辿り着きました。
10月も終わりに近づく頃、高い山は紅葉も終わり、そろそろ冬景色の始まりです。この時期は標高の低い山に秋の景色が広がり、天気のよい日、そんな山をのんびり歩くのも気持ちのよいものです。10月の終わりに、道南にある2つの山を1日で登ってきました。その日は雨の予報がすっかり晴れに変わり、絶好の登山日和となりました。まず一つ目の山は長万部町にある写万部山です。標高は498mでそんなに高くなく、あまり目立たない山ですが、木が少なく、山頂は一等三角点で展望のよさは一級品の山です。天気が良いにもかかわらず、登山口には我々だけで、静かな山登りができそうです。整備の行き届いた登山道は、のんびりゆっくり歩くにはもってこいの道です。途中、ダケカンバの林はすっかり葉を落とし、その白い木肌が、晴れ渡った青空に珊瑚のように映え、振り返ると、噴火湾の向こうに駒が岳がその特徴のある姿を現し、しばし海岸線と道南の山並みの景色を堪能します。最後の斜面を登りきると、大展望の広がる山頂です。羊蹄山からニセコ連峰、南に遊楽部岳や雄鉾岳、長万部岳など360度のパノラマは絶品でした。しばし景色を楽しんだあと、次の山へ移動のため下山です。
長万部町から約1時間、今度は今金町にある美利河丸山に登ります。登山口には奥美利河温泉があり、下山後の楽しみとなります(しっかり生ビールがあることも確認)。ここも登山者は我々だけのようで、山を独占です。ブナの林の中につけられた登山道は、落ち葉ですっかり埋まり、適度なクッションで足に優しい登りが続きます。ゆっくり歩いて1時間10分程で山頂に到着。ここも意外と展望がよく、写万部山同様の景色が広がり、皆さん大満足の様子です。昼食後、今日最後の目的地「温泉」に向けて下山です。「今日はふたつ山を登ったから、温泉も2ヶ所ね」この時期少々ぬるめの奥美利河温泉で汗を流した後、おいしいビールを飲むために(もちろんお客さんが、です)、もう一軒、クアプラザピリカ温泉をはしごして、今日の登山は無事終わりました。
どちらの山も登山道は整備され、歩きやすく登りで約1時間から1時間30分あれば十分登れる山です。是非一度登ってみてください。温泉もいいです。



8月23日 朝4時30分に小樽を出発し、8時30分頃登山口に着きました。途中雲がかかって心配でしたが、登りはじめる頃だんだん晴れてきて、青空が広がります。地形図で見た尾根はそれほど急には見えなかったのですが、いざ登ってみると意外といい登りをしています。登るに連れて出てくる苔の絨毯に皆さん感激の様子。腐葉土の登山道は足に優しく、登るのが楽です。3時間あまりで急登を終え頂上稜線に出ると、頂上は目前。狭い頂上からは、目の前に武利岳、遠くに石狩連峰やニペソツ山、大雪山がパノラマに広がります。ゆっくり頂上で昼食を取った後、2時間あまりで登山口に着きました。帰りの温泉は白滝グランドホテル。入浴料500円、いいところです。
昨年7月、北戸蔦別岳から戸蔦別岳に登る途中、晴れ上がった空の下に、まさに日高山脈の最高峰と思わせるどっしりとした幌尻岳が、目の中に飛び込んできました。この姿を見てしまった以上、登りたくなるのは自分だけではないでしょう。あれから1年経った今年7月、満を持して登ることになりました。ただ、この山も主に3本あるルートのどれを取っても、長い林道歩きや沢登り、そして急な尾根歩きが待っています。今回は一番ポピュラーな、額平川を遡り、山の中に建つ幌尻山荘をベースとしたルートを取る事にしました。ポピュラーとはいえ、雨で増水すると危険なのは当然で、我々が登る2週間ほど前、単独行の登山者が、増水したこの川で流される事故がありました。去年の「カムエク」の件もあるので我々も慎重に天気を見ながらの出発です。
林道終点の駐車場にはたくさんの車で溢れ、この山の人気の高さを知らされます。3日分の荷物を背負い、暑い日差しの中、長い林道を歩き、額平川を沢靴に替えて遡ります。概ね膝程度、所によっては腿位の深さの川を、流れに負けないように約20回程度の渡渉を繰り返し、出発から約5時間、やっと山荘に到着です。山荘はたくさんの登山者で満杯なので、近くにテントを張りここをベースとします。濡れた衣類を乾いた物に替え、食事を済ませたあとは明日に備えて早々と就寝。夜中雨が降る音がして、ちょっとドキッとしましたが、朝起きてみると川の増水はそれほどでもなく安心しました。と言うのも、当初は山荘から夏道を登る予定でしたが、今回同行した後輩の提案で、額平川の本流から、幌尻岳の北カールに抜ける直登沢を登る事になったのです。
さて、どんな難所が待ち受けているのか、わくわくしながら、沢に向かって出発です。はじめは傾斜の緩い沢も次第にその角度を増し、圧倒的な水流が切り立った岩場をゴウゴウと音を立てて落ちていきます。やがて高さ15mほどの大きな滝が現れ、所々ザイルを固定しながら、草付きの斜面を大きく高巻き突破。次々現れる小滝の水しぶきを浴び、びしょ濡れになりながらも、わりと皆さん余裕の表情です。おなかがすくのも忘れ、5時間近く登り続けると、段々水量も細くなり、そろそろ沢も終わりが近づいてきました。なんとなくほっとしたような、もう少し登りたいような、そんな気分で歩いていくと、そこはもう手をつかなくても良い、平らな北カールの底でした。ガスに包まれたカールは一面エゾツツジなどの高山植物で覆われ、なんとも幻想的な景色が広がりその中で大休止。その後笹の急斜面を熊のようにワサワサと登り、登山道に出て小雨の降る中、12時半頃、念願の幌尻岳山頂に立つ事ができました。
景色は何も見えませんが、今回のようなバリエーションコースを無事登り終えたことで大満足です。ちなみに、下山後山荘の管理人さんによると、今年このコースを登った女性は参加者のMさんが初めてだったそうです。めでたし、めでたし。
北海道最高峰の旭岳や、百名山で有名なトムラウシ山を代表とする表大雪の東側に位置する東大雪には、石狩川の源流となる石狩岳や音更山、そして鋭い山稜を持つニペソツ山など、魅力的な山々が揃っています。どの山も奥深く、また表大雪のなだらかな尾根とは対照的な、鋭角的な稜線が登山道となっており、中でもニペソツ山はそのアルペンチックな山容が、登山者の心をくすぐります。
3年前の8月、そのニペソツ山を目指しましたが、あいにくの雨で、頂上には登ったもののどんな所を歩いているのかさっぱり分からず、ちょっと消化不良の登山となりました。昨年9月、やはり東大雪のユニ石狩岳に登った時、すっきり晴れ上がった空に、突き刺すような形のニペソツ山を見て、再度挑戦することに決めました。
6月28日夕方、登山口の広場にテントを張り今夜の宿泊地とします。午後4時頃、続々と登山者が下山してきますが、みなさん疲れた様子の中にも、満足そうな表情で、喜んで帰って行きました。我々も翌日の天気を願い、シュラフの中にもぐりこむことにします。
朝4時、眠たい目をこすりながら出発の準備。天気はまあまあ良さそうです。針葉樹の生い茂る尾根をゆっくり登っていくと、朝日がこれから登る尾根の上部を明るく照らし、今日の晴天を約束してくれます。2時間ほどで稜線上に出ると、ふもとは雲海で埋まり周辺の山がその上に浮かび上がり、登山道上にはコザクラやチングルマなどの花が咲き、目を楽しませてくれます。次第に傾斜は緩くなり、ガレ場を越えて台地の上に出た瞬間、待ちに待ったニペソツが姿を現し、思わず声があがります。しばしそのどっしりとした迫力のある姿に見とれますが、まだまだ先は長いのです。気合を入れて、大きなアップダウンを超え、最後の急登を、息を切らしながら登り、出発から約5時間、頂上は足下となりました。トムラウシ山や十勝連峰、石狩岳などパノラマが広がり、その展望は一級品。またこの時期はイワウメやシャクナゲなどの高山植物も多く咲き、あの険しい山容とは似合わない花の山でもありました。
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